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《北海道の求人考察》札幌は飽和状態?地方の総合病院が絶好の狙い目

ざっくり説明すると

北海道の求人倍率は1.72とやや飽和状態

深刻な医師不足で地域医療は崩壊状態?

看護師が札幌圏に集中する一方で地方では人手不足に

総合病院や大病院に就職するなら地方が狙い目

日本看護協会の調べによると、北海道の看護師の有効求人倍率は1.72と全国平均(2.7)と比べるとかなり低い水準になっています。

有効求人倍率が全国平均に比べて1.72と低い状態にあるということは看護師を雇い入れる医療機関側にとってそこそこ人手が足りていることを意味し、医療機関側にとって有利な状態で就職活動が進むことになります。ですので、北海道の看護師にとって大病院などの人気の医療機関に就職・転職することは難しいと言えます。それでは北海道の病院事情について少しだけ詳しく解説していきます。

北海道の地域医療は崩壊していると言われています。それは現在、北海道の地域医療を支えている自治体の中核病院などで働く医師が激減しており、それによって収益が悪化し破綻や閉鎖・経営統合をせざるを得ない医療機関が増加しているからです。

厚生労働省の調べによると北海道の100k㎡あたりの医師数は14.9人と全国でもワーストワンです。この数字は東京都の100分の1以下なので北海道の医師がいかに少ないかが分かると思います。

何故このような状態になっているのか、これには二つの要因があります。一つは人口密度の問題です。北海道の面積は全国の約22%あり、その中に約560万人が生活をしています。そのため全国でも人口密度が最も薄い状態になっており100k㎡あたりの医師が少なくなっています。また、その人口の約70%が札幌や旭川などの主要都市およびその近郊に集中しており、地域偏在が起こっていることも医師不足を招く要因となっています。

そして、北海道には99床以下の小規模な医療機関が多いことも特徴の一つとなっており、北海道内の市町村立病院の80%以上は医療法で定める医師の標準数を満たしていないとも指摘されています。このように北海道の地域医療は医師の人材不足のために地域偏在がさらに顕著になり崩壊寸前の状態にあると言われています。

それでは看護師の場合はどうなのでしょうか。

北海道は日本で最も少子・高齢化が進んでいる地域であり、看護という仕事の需要の高さや収入も比較的高水準で安定していることから看護師は人気の職種となっており、北海道では以前から看護師の積極的な育成や確保が進められてきました。実際に北海道における看護師の数は増えており、2012年の道内の看護師数は約75,000人で10年前と比べて約13,000人も増えています。

そうした背景もあり、北海道全体として見ると看護師の数はそこそこ足りている状況にあり、結果として有効求人倍率が1.72と低水準にある北海道ですが、細かく見ていくと問題もあります。それは看護師が札幌圏に集中しており飽和状態にある一方で、地方では看護師の数が不足していることです。

2012年の人口10万人当たりの看護師数は札幌圏が約1,400人と全国平均の約1,100人を大きく上回っています。しかし、根室圏では約750人、日高圏では900人と全国平均を下回っていることが分かります。実際に北海道の地方の医療機関では人手不足から入院病床を休止するといった所も出始めています。

このように札幌圏では看護師が飽和状態になっており、良い条件で医療機関に就職・転職しようと思ってもなかなか上手くいっていないのが現状です。逆に地方の総合病院などでは人手不足な状態になっているため、札幌圏と比べると比較的に就職が容易となっています。もし北海道の看護師で総合病院や大病院に就職して力をつけたいという方がいれば、地方の病院はかなり狙い目と言えるでしょう。

そんな北海道でも人気の高い総合病院を地域別にまとめてみました。

道央の人気病院

《恵庭市》  えにわ病院 / 恵み野病院
《江別市》  江別市立病院 / 渓和会 江別病院
《小樽市》  小樽市立病院 / 済生会 小樽病院
《千歳市》  市立千歳市民病院
《苫小牧市》 苫小牧市立病院 / 王子総合病院
《倶知安町》 倶知安厚生病院
《岩内町》  岩内協会病院
《岩見沢市》 岩見沢市立総合病院 / 北海道中央労災病院
《栗山町》  栗山赤十字病院
《赤平市》  あかびら市立病院
《芦別市》  市立芦別病院
《三笠市》  市立三笠総合病院
《砂川市》  砂川市立病院
《浦河市》  浦河赤十字病院
《伊達市》  伊達赤十字病院
《滝川市》  滝川市立病院
《深川市》  深川市立病院
《美唄市》  北海道中央労災病院せき損センター
《室蘭市》  市立室蘭総合病院 / 製鉄記念室蘭病院 / 日鋼記念病院

※ 札幌の看護師事情と人気病院については別記事を作成しましたのでこちらをご参照ください。

道南の人気病院

《函館市》  函館五稜郭病院 / 函館中央病院 / 市立函館病院
《江差町》  北海道立江差病院
《松前町》  松前町立松前病院
《八雲町》  八雲総合病院

道北の人気病院

《士別市》  士別市立病院
《紋別市》  広域紋別病院
《稚内市》  市立稚内病院
《名寄市》  名寄市立総合病院
《富良野市》 富良野協会病院
《羽幌町》  北海道立羽幌病院
《留萌市》  留萌市立病院
《旭川市》  旭川医科大学病院 / 旭川赤十字病院 / 旭川厚生病院 / 市立旭川病院 / 森山病院

道東の人気病院

《帯広市》  帯広厚生病院 / 北斗病院
《釧路市》  釧路赤十字病院 / 市立釧路総合病院 / 釧路労災病院
《遠軽町》  遠軽厚生病院 / 丸瀬布厚生病院
《弟子屈町》 摩周厚生病院
《網走市》  網走厚生病院
《常呂町》  常呂厚生病院
《芽室町》  公立芽室病院
《根室市》  市立根室病院
《北見市》  北見赤十字病院
《中標津町》 町立中標津病院 

もし、北海道の病院への転職や就職をお考えであれば、北海道の求人案件に強く、人気の医療機関の求人情報を非公開求人という形で多く持つ転職サイト「 マイナビ看護師 」にご登録頂くことをオススメします。

最後に、北海道の看護師求人事情をまとめると、札幌圏では看護師の人余りが起きつつあるため、人気の病院に就職・転職することは難しく、逆に地方では看護師の人手不足のために総合病院などの大病院への就職も比較的容易となっています。

一旦は地方の総合病院に就職し、そこでスキルを身につけ、それから好条件で札幌の病院へ転職するというのも看護師としてのキャリアを考えれば大いにアリなのではないでしょうか。地方の病院が人手不足になっている今こそ、総合病院や大病院に就職するチャンスです!



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