前回の記事では失業給付に関する基礎知識と給付を受け取るまでの流れを紹介しました。
今回は失業給付で貰える金額は具体的にいくらなのか、また失業給付を受けることの出来る期間はどのくらいなのか、そして早く再就職をすると貰うことの出来る再就職手当について見ていきたいと思います。
失業給付金を自分はどの位、いくら貰えるのかを予め理解していおくことで、新しい職場に就くまでの最中の家計のやりくりの見通しも立てることが出来ると思いますので、ぜひこの機会に知っておいてください。
給付日数は雇用保険の加入期間によって異なる
失業給付の給付日数は原則として雇用保険の加入期間(被保険者期間)、つまり医療機関に勤めていた期間によって異なります。この失業給付は雇用保険の合計の加入年数なので、もし途中で転職をして職場が変わっていても大丈夫です。
給付日数は自己都合による退職の場合と会社都合による退職によっても異なりますが、例えば自己都合による退職の場合は「10年未満が90日」「10年以上〜20年未満は120日」「20年以上は150日」と定められています。
つまり、5年間勤務した後、退職願を出して辞めた場合、ハローワークで失業給付の手続きを行った後、4ヶ月後から3ヶ月間、失業給付が貰えることになります。それでは自己都合・会社都合それぞれの場合の失業給付の日数を見ていきましょう。ご自身がどこに該当するかを確認してみて下さい。
自己都合による退職の場合
雇用保険加入期間(被保険者期間) | 日数 |
---|---|
合計1年未満 | なし |
合計10年未満 | 90日 |
合計10年以上〜20年未満 | 120日 |
合計20年以上〜 | 150日 |
会社都合(倒産や解雇など)による退職の場合
30歳未満
雇用保険加入期間(被保険者期間) | 日数 |
---|---|
合計1年未満 | 90日 |
合計1年以上〜5年未満 | 90日 |
合計5年以上〜10年未満 | 120日 |
合計10年以上〜20年未満 | 180日 |
30歳以上〜35歳未満
雇用保険加入期間(被保険者期間) | 日数 |
---|---|
合計1年未満 | 90日 |
合計1年以上〜5年未満 | 90日 |
合計5年以上〜10年未満 | 180日 |
合計10年以上〜20年未満 | 210日 |
合計20年以上〜 | 240日 |
35歳以上〜45歳未満
雇用保険加入期間(被保険者期間) | 日数 |
---|---|
合計1年未満 | 90日 |
合計1年以上〜5年未満 | 90日 |
合計5年以上〜10年未満 | 180日 |
合計10年以上〜20年未満 | 240日 |
合計20年以上〜 | 270日 |
45歳以上〜60歳未満
雇用保険加入期間(被保険者期間) | 日数 |
---|---|
合計1年未満 | 90日 |
合計1年以上〜5年未満 | 180日 |
合計5年以上〜10年未満 | 240日 |
合計10年以上〜20年未満 | 270日 |
合計20年以上〜 | 330日 |
60歳以上〜65歳未満
雇用保険加入期間(被保険者期間) | 日数 |
---|---|
合計1年未満 | 90日 |
合計1年以上〜5年未満 | 150日 |
合計5年以上〜10年未満 | 180日 |
合計10年以上〜20年未満 | 210日 |
合計20年以上〜 | 240日 |
失業給付の支給額はこれまでの給料の50〜80%
失業給付の支給額は原則として前職での給料を元にして決まります。
まず「賃金日額」を算定しましょう。「賃金日額」とはボーナスを除く退職前の6ヶ月分の給与の合計を180日で割ったものになります。失業給付金はこの「賃金日額」を基準に給付率を掛けた額になります。つまり、整理すると「賃金日額(退職前6ヶ月分の給料の合計÷180日)×給付率(0.5〜0.8)」が1日あたりの失業給付金になります。
また、この給付率については賃金日額の金額によって異なり、賃金日額が低い人ほど割合が高くなります。ご自身の給付率がどの位になるかは賃金日額を計算された上で、次の表をご確認ください。
失業給付の給付率
60歳未満の場合
賃金日額 | 割合 |
---|---|
2,330円以上〜4,650円未満 | 80% |
4,650円以上〜11,770円未満 | 80%〜50% |
11,770円以上〜 | 50% |
60歳以上〜65歳未満の場合
賃金日額 | 割合 |
---|---|
2,330円以上〜4,650円未満 | 80% |
4,650円以上〜10,600円未満 | 80%〜45% |
10,600円以上〜 | 45% |
ただし、失業給付の給付額には上限があり、もし前職の給料が高かったとしても失業給付金は一定額しか支払われませんので注意が必要です。その上限については次の表をご確認ください。
失業給付の上限額
年齢 | 上限額 |
---|---|
30歳未満 | 6,440円 |
30歳以上〜45歳未満 | 7,155円 |
45歳以上〜60歳未満 | 7,870円 |
60歳以上〜65歳未満 | 6,759円 |
早く再就職すると再就職手当が貰える
「失業給付の支給期限内に再就職してしまうと給付はどうなるの?」と疑問に思う方も多いと思います。もし失業給付の給付期間内に再就職をした場合には給付は打ち切られてしまいます。
そうなると「だったら給付期間ギリギリまで再就職しない方がいいのでは?」と思いますよね。でも失業給付は前の記事でも説明しましたようにあくまで「再就職のために求職活動をしている」人のために支給されるものです。そのため早く再就職出来た人には「再就職手当」というものが支払われます。
再就職手当の金額は再就職するタイミングによって変わります。具体的な数値は次の表に整理しましたのでご確認下さい。
再就職手当の算定方法(日数)
給付日数の残り | 割合 |
---|---|
3分の2以上〜 | 残り支給日数の60% |
3分の1以上〜 | 残り支給日数の50% |
3分の1未満 | なし |
つまり、再就職手当金は「失業給付の日額×残りの給付日数×0.5または0.6」という計算になります。例えば給付日数が90日の人が3分の2以上にあたる70日を残して再就職した場合、「70日×0.6=42日分」が再就職手当として支給されることになります。また、3分の1未満となる10日を残して再就職した場合は条件に該当にしないので残念ながら再就職手当は支給されません。
そして再就職手当がもらえる条件は下記の条件を全て満たす場合とかなりハードルが高くなっていますので注意が必要です。かなり細かい条件が設定されていますので、ご自身が該当されているか確認する際はハローワークの担当者に聞くのが確実だと思います。
- 失業の認定後、7日間の待機期間を満了していること
- 失業給付が貰える期間の残りが3分の1以上あること
- 離職した前の事業所への再就職ではないこと
- (自己都合の退職の場合)待機期間満了後1ヶ月以内にハローワークまたは職業紹介事業者の紹介で就職したこと
- 1年を超えて勤務することが確実であること
- 雇用保険の被保険者になっていること(雇用保険に加入すること)
- 過去3年以内に、再就職手当もしくは常用就職手当を受けていないこと
- 求職の申し込み前から採用が内定していた事業主に雇用されたものでないこと
- 再就職手当の支給決定日までに離職をしていないこと
最後に、この再就職手当を貰うには就職した翌日から1ヶ月以内に、ハローワークに申請書を提出する必要があります。条件を満たすという方は申請するのを忘れないように注意が必要です。
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